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(2014年5月8日更新)

快適健康住宅づくりのコツ
太陽光の有効活用でおトクな省エネ生活

監修:西方 里見(西方設計代表・一級建築士)

断熱材選びや断熱工法と合わせて検討したい開口部や住宅設備について考える連載記事です。
家族の健康と住まいを良好に保つために大切なポイントをご紹介していきます。

長期的に見れば「もとがとれる」「儲かる設備」として注目される家庭用ソーラー

さまざまある再生可能エネルギーの中でも、現在日本でもっとも普及しているのが太陽光発電です。日射条件に恵まれた地域や立地であれば、住宅の断熱性・気密性を十分に高めた上で上手に利用したいものです。

平成24年7月に施行された再生可能エネルギー特別措置法により、電力会社では自然エネルギーによって発電した電気を通常の電気代よりも高い値段で買い取ることが義務付けられました。10kW未満の家庭用の太陽光発電であれば、家庭で利用して使い切らなかった余剰電力を電力会社が買い取る仕組みとなっています。

売電価格は、太陽光発電設備をいつ設置したかという年度によって異なります。平成26年度に設置した場合、10年後まで37円の売電価格が全国共通で保証 されており、通常の電気代の25.19円(東京電力圏内で使用量が120kWhを超えて300kWhまでの場合)よりかなり高いため、家庭用ソーラーは「儲かる設備」としても注目されています。

売電価格の推移

とはいえ、導入コストが百数十万円となる設備のため、「もとをとる」ためには長期的視点が欠かせません。そんな中、国内外のソーラー市場の競争が激化するなかにより、家庭用ソーラー設備自体の価格がイニシャルコストも2011年頃より下がってきているという朗報も。ます。現在もドイツやスペイン 、イタリアなど主要国と比較すればまだ高価なので、当分は下落傾向が続くと考えられます。

設置コストを確実に回収するために

地域や敷地条件にもよりますが、「もとをとる」ためには発電量が4kW以上のものを載せて、年間4000kWh以上の発電を目指したいところです。年間4000kWhあれば、およそ住宅1軒分の年間電力消費量をまかなうことができます。

家庭で使う量より売る量を増やすほど利益は大きくなるため、ポイントはいかに生活で使う電力量を抑えられるかとなります。当然ながら、住宅の断熱性・気密性が高いほど売電量を確保しやすくなります。標準的な出力4kWのシステムの平均価格は約150万円程度で、住まいの省エネ性能を高めてある程度の節電に努め、発電量の8割を売電に回すことができれば、14年程度での回収が可能になる計算です。

収支シミュレーション

太陽光発電と非常に相性が良いのが、エアコンの冷房使用です。冷房は太陽光が十分にある時間帯に多く使用するため、発電量で充分に冷房エネルギーをまかなえます。しかし冷房以外では、発電時間帯と電力需要の時間帯にはずれが生じやすいのが実際です。蓄電池を使えば昼間に発電した電気を夜間使うこともできますが、余剰があるなら売電に回すことを優先しましょう。無理に蓄電しようとするのは効率が悪く、「家で使う電力はすべて太陽光で賄いたい」など完全自立を求めない方が無難です。

高寿命といわれるものの、メンテナンスは必要

太陽光発電システムの耐用年数は25~30年程度を目安とされるものの、故障が少なくありません。また、メーカーや設置業者によっても寿命が左右します。どのメーカーも10年保証をつけていますが、「メーカーが認定した施工業者による施工」を条件としていることが多い点に注意が必要です。

異変があったとき、すぐに業者に確認してもらえば簡単な修理で済むことも多く、日々の発電量をしっかりチェックしておき、「こんな天気がいい日にこの発電量はおかしい」などすぐ気付けるようにします。定期的なメンテナンスを受ければより確実といえます。

もっとも多いのがパワーコンディショナー(発電した電気を家庭で使える電力に変換する機器)の不具合で、全体の約6割を占めています。パワーコンディショナーは10年程度が寿命とされており、修理や交換が必要となります。このため、省エネ性能が低い住まいでエネルギーを浪費すれば、設置費用を回収する前に新たな出費がかさむ可能性もあります。

西方 里見氏

西方設計代表・一級建築士

西方 里見(にしかた さとみ)

地元の秋田県能代市で設計事務所を主催しながら、理想の高断熱高気密住宅を追い求めるオーソリティーの一人。『「外断熱」が危ない』『最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』(いずれもエクスナレッジ刊)など、一般の人に向けた啓蒙書も多数刊行している。

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