健康に害を及ぼす家って?
家族を守ってくれるはずの家が、
逆に家族の健康を脅かす・・・。
家に潜む健康へのリスクをご紹介します。
1.冬場のヒートショック、夏場の熱中症の恐怖
冬場、暖房をかけた居間から廊下に出て、あまりの寒さに身震いしたという経験を持つ方は多いでしょう。この極端な温度差は「ヒートショック」と呼ばれ、お年寄りや体調を崩している人の命を脅かす危険があります。特に普段から血圧が高めの人は要注意。急な寒さにより血管が縮んで血圧が200以上になることもあり、脳溢血や心筋梗塞を引き起こしかねません。風邪のウイルスは15~18℃以下の環境を好むという性質を持っているため、冬に寒い室内で過ごすのはそれだけで風邪のリスクを増大させます。
一方、夏場には熱中症のリスクが住まいの中でも生じます。エアコンを使わない室内は、時には屋外以上の気温となることも。熱中症の発生場所が自宅というケースは非常に高く、65際以上の高齢者では61.4%を占めています(東京消防庁資料より)。
2.シックハウス症候群になる恐怖
人の体からの発散や家事・入浴などで一日に発生する水蒸気は、4人家族の住まいで約9リットルと言われています。空気中に含まれているこの水蒸気が、冷たい窓や壁で冷やされて水に戻るのが結露です。
結露するところは湿度も高く、カビが生えやすくなっています。カビが増えると、それを栄養源にしているダニが繁殖するという悪循環を起こします。
目には見えないため気づきにくいものの、こうした場所ではカビの胞子やその代謝物、ダニの死がいや糞などが空中で多く漂うことに。これらが鼻や口から吸い込まれて、咳や喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎、じんましんなどの原因となります。
3.アレルギー症状が止まらない
アレルギーの症状に悩む人は多いですが、そもそもアレルギーとは体が異物を排除するために免疫機能が過剰に反応すること。症状が良くなるか、悪化するかは毎日を過ごす環境と密接に関わっています。たとえば、アレルギーのなかでもよく知られる「アレルギー性鼻炎」の原因は約60%がハウスダストであり、室内のほこりやダニ、ペットの毛などです。
このため、窓を閉め切って暖房をかけた冬場に症状が強く出ることに。また近年増えているアトピー性皮膚炎もアレルギーの一種ですが、これも主な原因とされているのはダニ・カビをはじめとするハウスダストです。室内に満ちたさまざまなアレルゲンが、家族の健康的な暮らしを妨げています。