耐震・断熱・外観にこだわって
京町家をリノベーション
工務店に勤務するSさんは、仕事柄京町家に接する機会が多く、いつしか「自分も住んでみたい」という思いが募っていったそうです。そんな時に築90年の町家に出会い、購入を決意。リフォームにあたっては、耐震・断熱という機能性と、京町家らしい外観にこだわったそうです。
断熱仕様
床 | 床用フェノールフォーム 40mm |
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屋根 | フェノールフォーム |
壁 | 高性能グラスウール16kg 90mm |
家族みんなが暮らしやすい住まいに
Sさんが購入した京町家は築90年を経ていたため、基礎と骨組み以外は全面改修となるリノベーションを選択しました。「耐震性を考えると伝統工法の構造のままでは危険と判断しました。そこで、コンクリート基礎とサイディング材で『面』を固める在来工法を取り入れて高い耐震性を確保しています。同時に床、屋根、壁にそれぞれ適した断熱材を選んで高断熱・高気密化も実現しました。
仮住まいで知った町家の弱点
今の住まいをリフォームする間の約5ヶ月、Sさんご一家は別の京町家に仮住まいしていました。そこで感じたことは「夏は暑く、冬は寒い」ということ。「冬はガスファンヒーターと電気ストーブを両方使っていましたが、なにしろ結露がひどかったですね。新しい住まいでは結露はほとんどなく、冬の朝でも室温が14℃くらに保たれているので快適です」。1階リビングのエアコンのみで全室暖房が可能で、光熱費も大幅に下がったそうです。
奥様の花粉症も改善
高断熱・高気密化によって、省エネ効果とともに健康面でも変化がありました。「以前は花粉症がひどくて悩みのタネでしたが、住み替えてからは、すっかり改善されました」と奥様。また、吸音性が高まったことで、就寝中に外の音で眠りを妨げられることもなくなったそうです。
冬の朝も快適に目覚められるようになりました
「夏の蒸し暑さと冬の底冷えは京都で暮らす限り仕方ないと思っていましたが、この家に住んでみて『冬温かく夏涼しい家』が実現できることを改めて実感しました。今後は調湿機能がある珪藻土の壁や床暖房なども取り入れて、より快適な住まいにしていきたいと思っています」