営業マンと相談する前に
整理すべき項目は?
当たり前のことですが、家づくりには
「どんな住まいにしたいのか」を具体化していくことが最も大切です。
同時にそれは「これからどんな暮らしをするのか」にも直結します。
1.建てたい住まいの断熱レベルを明確にしよう。
「冬の寒さを解消したい」「冷暖房費を抑えたい」など、高断熱高気密住宅に求める性能を具体的にするために、断熱レベルを明確にしましょう。住まいの断熱性能を客観的に表す基準が「省エネ基準」です。当サイトでは、1999年に定められた平成28年省エネ基準等級4の外皮性能を超える住まいを「高断熱高気密住宅」と定義しています。
等級4以上の高気密高断熱住宅には、冷暖房効率が良い、快適な温度を保ちやすい、健康に良い、光熱費が安くなるなど数多くのメリットがあります。
等級4よりもさらに優れた高断熱・高気密な家づくりを目指す場合は、建てたい住まいの「UA値」を工務店などに依頼して事前に算出してもらい、断熱性能を確認しましょう。
UA値の基準(W/m2・K) | ||||||||
断熱等性能等級 | 1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | |
昭和55年基準 | 2相当 | 0.72 | 0.72 | 1.21 | 1.47 | 1.67 | 1.67 | 2.35 |
平成4年基準 | 3相当 | 0.54 | 0.54 | 1.04 | 1.25 | 1.54 | 1.54 | 1.81 |
平成28年基準 | 4相当 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 |
2.施工会社の選び方
高断熱高気密住宅を実際に施工する会社の実力を見極めることも大切です。下記のようなチェックシートを基にして、営業マンや職人さんの知識・能力を確認しましょう。
回答があいまいだったり、的外れだったりしたら要注意。逆に、それぞれにきちんと回答してくれる施工会社なら信頼できそうです。
施工会社の実力をチェック
※以下のチェック項目の条件を全て満たすことが前提となります。
断熱施工についてきちんと説明してくれますか? | 関連するページはこちら |
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住宅の省エネ基準をきちんと理解していますか? | 関連するページはこちら |
充填断熱工法と外張断熱工法についてきちんと説明してくれますか? | 関連するページはこちら |
住宅の工法・構造に適した断熱方法を理解していますか? | 関連するページはこちら |
住宅の部位ごとに適している断熱工法を理解していますか? | 関連するページはこちら |
断熱材の種類、特徴、適した工法を理解していますか? | 関連するページはこちら |
断熱施工の手順書を用意していますか? | 関連するページはこちら |
現場の職人さんが断熱施工を正しく理解していますか? | 関連するページはこちら |
現場の職人さんは断熱施工に関する講習を受けていますか? | 関連するページはこちら |
3.断熱工法を検討しましよう。
一般的な戸建住宅の断熱工法は、充填断熱と外張断熱の2つに大別されます。どちらの断熱工法を選ぶかは、家の構造との相性はもちろんのこと、費用対効果などのコスト面も合わせて検討しましょう。
一般的には、木造(在来工法、ツーバイフォーなど)には充填断熱工法が採用され、鉄骨では外張断熱工法が用いられることが多いようです。
4.断熱工法と断熱材について理解しましよう。
断熱工法と断熱材の組み合わせは複数あります。それぞれの特徴を理解して、最適な断熱材が選べるようにしたいものです。
施工時に特に確認したいのは、押入れの天井裏や間仕切り壁の上下など、断熱材を入れ忘れやすい箇所です。現場監督など、施工管理者に必ずチェックしてもらうように依頼しましょう。
5.断熱性とコストのバランスを考えよう。
家を新築する場合、一般的には充填断熱工法に比べて外張断熱工法のほうがコストがかかります。その理由は、使用する断熱材の価格やそれぞれの工賃の違いなどです。
一方で、コストばかりを気にして、求める断熱性能が得られないのでは本末転倒になってしまいます。断熱性能とコストのバランスが上手に取れる家づくりを目指しましょう。
6.断熱材の厚さと性能の関係
断熱材の厚みと断熱性能は密接に関係しており、当然のことながら、断熱性能を高めるためには一定量の厚みが必要です。断熱材の性能を表す数値には「熱伝導率」(λ)*1と「熱抵抗値」(R)*2がありますが、「熱伝導率」が単位面積あたりの性能を表すのに対して、「熱抵抗値」は厚みを含めた性能を表しています。
つまり、実際に製品として流通している断熱材の性能を知るには、この「熱抵抗値」が重要になります。「熱抵抗値」が高い(値が大きい)断熱材ほど断熱性能が高くなりますので、断熱材を選ぶ際には、断熱材の厚みと熱抵抗値をチェックしたいものです。
*1:熱の伝わりやすさを表わす数値です。 数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能に優れた材料であることを表わします。
*2:断熱材の厚みを熱伝導率で割った数値で、数値が大きいほど断熱性能が高いことを表します。