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どんな法律が
住まいの断熱化に関わる?

住まいに関する法律はいくつもありますが、高断熱高気密住宅には、
「建築基準法」「建築物省エネ法」「品確法」が重要です。

断熱性能の評価に欠かせない基準があります

1.高断熱高気密住宅に関わる法律を知る

住まいに関わる法律は多くありますが、高断熱高気密住宅を考えるときに重要になるのが「建築基準法」「建築物省エネ法」「品確法」の3つです。建築基準法ではシックハウス対策として断熱材など建材の基準が設けられています。また、建築物省エネ法に基づいて「外皮性能基準」、品確法に基づいて「断熱等性能等級」が、がそれぞれ定められています。これら2つは断熱性能の評価に欠かせない基準であり、住宅ローン【フラット35】Sでの金利引き下げや税制の優遇制度の適用条件としても用いられています。
なお、建築物における国主導の省エネ施策としては、昭和54年に石油危機を契機に制定された「省エネルギー法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)」が皮切りとなります。このもとで、昭和55年に省エネ基準が定められて以後、改正・強化が重ねられて、建築物省エネ法制定までの土台をつくっています。

住宅に関わる3つの法律
概 要

2.改正省エネ基準

平成25年10月、14年ぶりに省エネ基準が見直され「改正省エネ基準」が施行されました。国の方針では、平成32年までにすべての新築建築物に対し、改正省エネ基準の適応が義務化される予定です。ここでは、改正のポイントをご紹介します。

1.一次エネルギー消費量による評価を導入

外壁や窓など外皮性能基準と、建物全体の省エネ性能を評価する「一次エネルギー消費量」の基準との二本立てとなりました。一次エネルギー消費量の計算には、冷暖房をはじめ、換気、給湯、照明などの設備機器が含まれ、太陽光発電などによる創エネ分はエネルギー削減量として差し引くことができます。

省エネ基準改正のポイント
2. 外皮性能はQ値からUA値へ

改正前の省エネ基準では、外皮性能をQ値およびμ(ミュー)値で評価していましたが、改正省エネ基準ではUA値およびηA(イータエー)値が採用されています。
Q値とUA値は屋根や外壁、窓などから冬にどのぐらい熱が失われるか、μ値とηA値は夏にはどのぐらい日射熱を侵入させてしまうかを示す値ですが、改正前のQ値・μ値は床面積当たりで算出されているため、小さな住宅ほど評価が厳しくなるという課題がありました。それを見直し、外皮表面積当たりで計算するようにしたのが、UA値およびηA値となっています。

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3.地域区分を6地域から8地域へ

地域区分を、従来の6地域から8地域へと細分化しました。各地域区分に関するUA値、ηA値の基準は下表の通りです。

省エネ基準の地域区分
概 要

3. 建築物省エネ法

平成27年のパリ協定採択を受け、地球温暖化対策計画において「住宅・建築分野で2030年度までに2013年度比で約4割のCO2排出量削減」という目標を掲げて動き出した日本。省エネへの流れをさらに推し進めるため、平成27年7月に交付されたのが「建築物省エネ法」です。

建築物省エネ法は、「誘導措置(任意)」と「規制措置(義務)」で構成されています。その主なポイントは下記の通りです。

1. 誘導措置/表示制度

建築物が省エネ基準に適合していれば、それを建築物や広告などに表示できます。「eマーク」と「BELS」の2つの表示制度があります。

・基準適合認定マーク(eマーク)
既存建築物が省エネ基準に適合していることをアピール。行政庁による認定を受け、eマークを表示。

・BELS(ガイドラインに基づく第三指認証)
新築時などに、基準レベル以上の特に優れた省エネ性能をアピール。第三者機関による評価を受け、省エネ性能に応じて5段階で★表示。

2. 誘導措置/容積率の特例

省エネ性能の優れた建築物は、所管行政庁の認定を受けて容積率の特例が受けられます。

3. 規制措置

「2000m2以上の大規模な非住宅建築物」を新築・増改築する際、従来の省エネ法では「届出義務」だったものが、建築物省エネ法では適合しているかどうかの判定を受けることが義務化されました。不適合の場合、建設自体ができなくなります。
住宅を含めた「300m2未満の小規模建築物」の新築・増改築については、旧省エネ法に引き続いて、基準の適合は努力義務にとどめられています。

概要

4.品確法

通称「品確法」と呼ばれる「住宅の品質確保の促進等に関する法律」は、良質な住宅を安心して取得できる住宅市場の整備と活性化のために制定され、平成12年4月に施行されました。
品確法は、以下の3本柱で構成されています。

・新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を「10年間義務化」すること
・さまざまな住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」を制定すること
・トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」を整備すること

住宅性能表示制度

住宅の性能について共通の基準を設けることで、従来は見えにくかった住宅性能を客観的に表示・評価できるようにした制度です。
「火災時の安全」「構造の安定」「温熱環境・エネルギー消費量」などの10分野の性能項目について数値や等級で示すことで、専門知識がなくても住宅性能を知ることができるのです。※任意制度

温熱環境・エネルギー消費量に関すること

住宅性能表示制度にある「温熱環境・エネルギー消費量に関すること」は省エネルギーの程度を評価する項目。暖冷房エネルギー削減のための断熱・日射・気密化などの対策の程度を示す「断熱等性能等級」と、一次エネルギー消費量の程度を示す「一次エネルギー消費量等級」の2つで評価されます。
長期優良住宅認定や【フラット35】S適用の対象として優遇を受けるためにも、等級4が条件のひとつとなっています。

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